ちゃんと、終わらせる。

毎日を丁寧に生きる、という考え方が苦手だ。

 

そんなひとつひとつのことにこだわって生きていたら本当にやりたいことができないじゃないか、と思っている。

だけど、そうやって生きている中で一体どこまでやりたいことを実現できたのかな、と考えてみるに、まあある程度やれたな、と思うこともあるし、やるやると言いながらもう何年もやってないな、ということもいくつもある。

そう考えると、もし今までの人生を、毎日を丁寧にやる生き方でやってきたとしても、たいして変わりはなかったかもしれないし、ひょっとしたらもっとマシな人生になっていたかもしれない。

まあそんなことを考えても仕方がない。

ただ、ふと思ったのは、丁寧にやる、というのはピンとこないが、ちゃんと終わらせる、というのは大事かもしれない、ということだ。

たとえ納得できない仕上がりであっても、まずは完成させる。たとえいつまでも終わらない作業だったとしても、その日にやるぶんだけは決めて、そこまではしっかりやる。

そうすることで今日の肩の荷が下りる。残った時間をやりたいことに使える。ついでになんだか気分も良い。

そういう経験は若い頃から何度かしてきたが、若いぼくには刺激が足りなく思えたのか、そこを追求する気は起こらなかった。今も別に真剣に研究しようというつもりはない。

だけど、世界が混沌としているとき、その霧の中を進んでいくしかないとき、手にしたものをちゃんと終わらせる、という発想が役に立つことはそれなりにありそうだな、という気がしている。

 

そんなわけで、まずは、この文章を書くのを終わらせるとするか。