2016-01-01から1年間の記事一覧

自分が無害なおっさんであることを伝えるのは、難しい。

平日の昼間、クリスマスプレゼントにもらったラジコンカーをどうしても公園で走らせたいと子供が言うので一緒に行った。 その日はぼくは休暇を取っていたのだが、世間的にはまだみんな働いている普通の平日の昼間だったので、あまり人もいなかった。しばらく…

最近、誰もがマーケティングとコミュニケーションに関する話ばかりをしているような気がする。

ここのところずっと妙だなと思っていること) ・最近、誰もがマーケティングとコミュニケーションに関する話ばかりをしているような気がする・多くの人が、何をすれば儲かるのか、何を発信すれば注目されるのか、そういうことばかりを話している・そういう人…

子供は、労働力。

仕事からの帰り道に、8歳の息子に米を洗って炊いてくれと妻が電話すると、いそいそと用意してくれるらしい。 どうも本人は用事を頼まれるほうが、つまらない宿題をするよりも楽しいらしく、今日のごはんはぼくが炊いたんだとうれしそうにしている。夫婦で働…

40年生きてきて、もういらないと思うもの

・40歳を前にして、いままで気にしてきたけどこれからは不要だと思うもの おしゃれな美容院で髪切ることリンスとかコンディショナーみたいなやつやたら値段の高いジーパンやたら値段の高いスニーカー無理にかっこつけて履いたら後で足が痛くなる革靴ファッシ…

おつかれさまですなんてメールに書くのは、やめなさい。

中田課長 おつかれさまです。大変僭越ながら申し上げます。空想の世界では魔よけのお札みたいに持ってるだけでありがたいものがたくさんありますが、残念ながら現実世界のコミュニケーションにおいてはそんなものはどこにもありません。メールにおつかれさま…

ウンチまみれの生活の先に、あるもの。

結婚したときに、ひとつ大きくほっとしたことがあって、それは、これでもう恋愛なんかしなくてよくなる、ということだった。 しかし人生には他にも大変なことがたくさん存在して、その多くは遠い未来だから、あるいは自分がそれにあてはまるかどうかは不確定…

自由な場所なんて、どこにもない。

今朝の地震は、大きな被害がなかったようで本当によかったけれど、空間的・位置的なものにしがみついている、あるいはとらわれている息苦しさのようなものを、より強く感じもした。 情報革命によって、人がその空間に存在している意味は少しずつ失われている…

月給30万円の、船に乗って。

日本人はだいたい月給30万円で働く、みたいな前提で作られてるシステムがあまりに多すぎる気がする。 家の値段も、塾の月謝も、車のローンも、はてなブログProの月額も、それを前提に決まっている。それは非常に社会主義的というか、誰もが月給30万円前後の…

みんなが孤独な世界は、それほど不幸な世界ではない。

クリスマスの季節が近づくと、いまだに孤独な気持ちになる。 やわらかく、あたたかそうな服を着て、お互いにニコニコしあっている人々がたくさん目に入るからだ。 自分に恋人がいようと家族がいようと、ひとりぼっちでいる時にそういう光景を見るのはまった…

人生の、目的地とは。

東京出張した時に中途半端に時間が余り、美術館に行くには無理があるし、人に会うには急すぎるし、さてどうしようかと思って、家族に買って帰るお土産をちょっとじっくり選ぶことにして、いいものを買うことができてとても満足した。東京に行くとあれもしと…

大阪弁的な、生き方。

ぼくは普段は大阪弁で話しているくせに、書き言葉になると急に標準語になる。 別にぼくに限らず、方言を話す人はだいたいそうだろう。ぼくは大阪弁のことしかわからないから大阪弁に限っての話だが、大阪弁で話してる人の話は、標準語のそれよりも頭が悪そう…

お金を出して、不安を買う。

大学生の時は、貯金なんて一切してなかった。 バイト代は、バイトが終わったあとに飲みに行って大部分は使ってしまった。バイト仲間にハーフの先輩がいて、俺はハーフだからといってハーフアンドハーフのビールばかり飲む。お前はハーフじゃないから本来は飲…

死者の国から、2016。

下の子が怖がるだろうからということで、妻もぼくもUSJのゾンビを見たことがない。 祖母と一緒にゾンビを見たという上の子の目撃情報によれば、人間の肉を食べていたという。さすがにそんな恐ろしい光景はまだ見せられないと思い、なんとなくそろそろ出てき…

虫の、服。

せっかくの秋が来ているというのに蒸し暑い。 近所を歩くとたいていの人は半袖で、大阪は特に気温が高いから、1年のうちで半袖ですごしてる月を数えると、実に5月から10月の半年間となる。コートなんて着るのは1月と2月ぐらいで、残りの季節はジャケットさえ…

がっかりされても、いい。

期待を裏切る、という言葉はひどく悪い意味で使われていて、お前はみんなの期待を裏切ったんだ、とか言われると自分はなんだかとんでもない犯罪を犯したように聞こえる。 しかしよく考えればぼくらは常に誰かの期待を裏切って暮らしていて、後ろ姿を見てイケ…

世界は身体で、できている。

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冷蔵庫の中のアイスコーヒーを取り出したら、仕事してる人の背中に当たらないように横ばいで、隣にあるわずかに突き出た板まで移動し、その上でコーヒーをグラスに注ぎ、また横ばいのままでアイスコーヒーを戻しにいく構造になっている職場で働いていたこと…

赤ちゃんの、取引。

どういうサービスなのか詳しくはわからないけれど、トラックの壁面に赤ちゃんの顔の写真と一緒に大きな字で、赤ちゃん取引、と書かれていて、それはかなりのスピードで右折して去っていってしまったので、よっぽど急ぐ取引があったのだろう、ひょっとしたら…

正解なんかに、負けやしない。

受験戦争を経験したせいで、正解ばかりを気にして生きてきた。 社会に出ても、得意先が喜べば正解、上司が喜べば正解、賞を獲れば正解、出世すれば正解、いつも何が正解なのかばかり考えて生きてきた。 それ自体は間違いでもないし、正解でもない。 はっきり…

ハッピーエンドは、望んでいない。

自分の人生を振り返ってみると、これはいかにもハッピーエンドだな、みたいな場面が、決してたいしたことではないのだけれど、いくつかすぐに思い起こされる。 しかし残念ながらというか幸運なことにというか、ぼくの人生はまだ続いていて、それで、自分がい…

ぼくは、ぼくのために働いているだけ。

特に答えはない。 こーさん(id:koh0605)が、休日返上で働く上司を見て、自分を犠牲にしてまで仕事で手に入れたいものなんてあるのだろうかとモヤモヤした、というエントリを読んだ。 自分を犠牲にして仕事で手に入れたいものなんてない。 - いずれも。それ…

いったい人間は何年生きると、思っているのか。

ふと思い出した。 10代の頃、何か楽しいことがあるたびに、この時間がずっと続いてほしいけれどそれは絶対にありえない、人生において楽しいことばかりは続かない、とよく思っていた。その予感はやっぱり正しくて、あの頃の、全身がしびれるようにドキドキす…

シンプルイズ、ベスト。

生きていると悩みのオンパレードだ。 今日のスケジュールはこれで、こんな問題に取り組まなきゃいけない、明日はこんな会議が控えている、そもそも我が社の課題はこれで、それを解決しようと思うとまずは新規顧客をこれだけ獲得しなきゃいけない、そのために…

報酬を、与える。

以前も書いたことだけれど、何かひどく大変なことをやりとげたからそれに見合う対価が得られるとか、これだけやったんだから何をしてもよいとか、そういう考え方は、他人とのやりとりの中では役立つこともあるが、自分自身に対しては役に立たないどころか、…

男らしくない、男。

女性向けの商品に関わる仕事をしていたことがあった。 とても楽しい仕事だったのだけど、異動があって、担当を外れた。それでぼくの代わりに別の男性2人が担当になったら、得意先からクレームがあったらしい。「なんで急に男の人ばっかりが担当になったんで…

ミナトホテルの裏庭には、何があったのか。

寺地はるなさんの『ミナトホテルの裏庭には』という小説を読んだ。 素敵な人たちがたくさん出てくるお話で、中でも、主人公の祖父が素敵である。「古武士みたい」で「秩序と静寂を好む」祖父は、主人公にとある用事を頼むのだが、それからちょっとして「これ…

出世に、失敗しました。

一番大きな原因は、失敗を恐れたことだ。 エラくなるためには失敗はできない、評価されるためにはミスはできない、生計を立てるためには給料を下げてはいけない、という心配ごとばかりが頭の中にあって、人の目ばかりを気にして行動していた一年だった。その…

ここにはない世界は、どこにあるか。

毎日の暮らしの中で、ふと「ここではないどこか」へと思いをはせることがある。 日々、同じような場所で、同じような仕事をして、同じような人たちと話をし、同じようなものを食べて、同じような時間に眠る。それをずっと繰り返しているうちに、こんな暮らし…

失敗したことを、話す。

先日、同じ部署の人たちに、この一年で学んだことについて話した。 ぼくはこういうときにグッドニュースばかり話すクセがあるのだが、今回はバッドニュースについても話してみたら、意外と笑ってもらえたし、それなりに話も中身のあるものになった。悪い話に…

ごはんがおいしい、理由。

すごくおいしいお店に行った。 そのお店はいつもぎゅうぎゅうの満員で、イラチの関西人も辛抱強く並んで待っている。安くて、メニューは創意工夫があって、おいしくて、ちょっとだけ味付けは濃いのだけど、これがまたお酒に合う(ぼくは飲まないので関係ない…

荷物なんか、いらない。

あんたんとこの会社はスターが育ちにくいからねえ。 上司に連れて行ってもらったバーで、上司の知り合いからそう声をかけられて、ぼくは、はあ、そうなんですかと、あんまりよくわからずにあいづちをうった。ぼくは新入社員で、自分はいつかスターになるのだ…