なんだかんだいって7年近くブログを書いているようだ。
当時は影響力の大きな書き手はアルファブロガーと呼ばれてもてはやされ、アルファブロガー同士で盛り上がり、そういう存在になろうとせっせとエントリを書く人と、それを周りで見て嫉妬する人とがいた。
ちょうど職場で表現者同士の小さな仕事の奪い合いに疲れていたぼくは、ああブログの世界でも同じなのかとげんなりして、もうそういうのはええやん、アルファブロガーでもそれを追いかけるベータブロガーでもなく、自由に書きたいことを書くサードブロガーになろうよ、と言っていた。
それで、7年近くを振り返るに、ぼくはちゃんとサードブロガーでい続けているなあと思っていて、まあ家庭と仕事にほとんどの時間を使っていてすっかり書く機会は減ったけれども、たまにフラッとやってきて、書きたいことを書いて、また慌ただしい日々に戻ってゆく。
うれしいことに、たまに他のネットメディアでも書いてみませんかというお誘いもいただけて、そこで小さな芸を披露させてもらってホクホクとしている。
ブログはぼくにとっては相変わらずサードプレイスなのだ。
続けるというのはとても難しい、と心から思う。
生物学的にも人が何かに夢中になり続けられるのは3年が限界だそうだ。
自分の人生を振り返るに、たしかにだいたい3〜5年ごとに関心事が変わっていってて、それなりに長くやっていた広告クリエイターの仕事も、関心テーマはそれぐらいの周期で変わっていった。
レバレッジをかけるとか、一点突破とかよく言うが、これを短期的な意味でとらえるとしんどくなると思う。
一点突破した人の話を聞いてると、周りからそう見られるようになるまでもずっと同じことに関心を持ち、それをああでもないこうでもないとゴチャゴチャしながらも、ずっと同じテーマについて挑戦し続けていて、それがだいぶ後になってから発見されて、一点突破だ!と呼ばれているだけの場合がほとんどである。
もはやこうなると好きとか情熱とかいう美しいものより、偏執とか中毒のほうが近い気がする。
定期的に関心事が変わるぼくはそこまで危ない因子を持ってない、まともな人間だという証拠である。
それでも断続的ながら7年近くブログを書いてるということは、関心が保たれる期間を少なくとも一周は過ぎている。
場合によると二周目も終わりかけているかもしれない。
中毒とは思わないが(そればっかりは自分ではわからないが)なんらかの力がそこには働いていて、それは承認欲求とかもあるんだろうけど、それよりももっと次元の低い、生理的な現象に近い気がする。
いずれにしたって、こんなに手軽に、こんなに長く、こんなにマイペースに続けられる何かがある自分はとても幸せだと思う。
サードブロガーでよかった。