ぼくが「はてなブログ」にやってきたとき、そこは「はてなダイアリー」住民が主役の土地だった。
彼らはぼくよりもずっと昔にインターネットに居場所を見つけ、そこを時間をかけて開拓し、暮らしやすい土地にしてきた、尊敬するべき人々だった。
と同時に、彼らは思っていたよりもずっと閉鎖的で、気難しく、好戦的で、うっかり話しかけたらやたらと話が長くなるし、無視して新参者同士で親交を深めていると、陰からじっとのぞいて勝手に憤慨したりする、ひどくややこしい人たちだった。
「はてなブログ」にやってきた人たちも、色々だった。
ぼくのように「はてな村」はちょっと敷居が高いけど、この「はてなブログ」ならなんとか手が届くかも・・・とビクビクしながら引っ越してきた人もいれば、「はてなブログ」は、今までポツポツと古民家が残っているだけの土地を再開発してできた全く新しい居住区だと思って引っ越してきた人もいた。
そのうち、この「はてなブログ」に色んな事情でやってきた「はてなニュータウン」の住民と、古くから「はてなダイアリー」に住む「はてな村」の住民とのあいだに小競り合いが起こるようになった。
ぼくも調子に乗って、オレは「はてな村」の住民でもアルファブロガーでもない、サードブロガーだぞ、と息巻いて、小競り合いに飛び込んだりした。
「はてなダイアリー」の人たちはみんな優しかった。
わけのわからないケンカをちゃんと買ってくれて、それはこういう点でおかしいとか、こういう点で勘違いしているとか、ちゃんと自分の時間を使って、相手をしてくれた。
あのとき、ぼくは村人から、退屈だけれども何か言いたいことはあるようだから無視し続けるのもかわいそうな隣人、として迎え入れてもらったように思う。
それからは、「はてなダイアリー」の住民とも道で出会えばはてなスターで挨拶することも増え、ついトラックバックを飛ばしあっての立ち話が長くなったり、近くに寄ったからと夜中にわざわざIDコールで安眠を妨害されたりして、この土地での暮らしを満喫するようになった。
また、「はてなダイアリー」に住む人たちも、意外と「はてなブログ」の外観の新しさに関心があったり、そのうちダイアリーにある機能がどんどん実装されていく様子を見て、向こうからちょっと遊びに来たり、試しに部屋をひとつ借りたりするようになり、そうやってこの土地の様子は変化しはじめた。
さて、この閉鎖的で、気難しく、好戦的な土地にもすっかりなじんできた頃、だんだんぼくは仕事のほうが忙しくなってきて、出張が続いて家を長く空けたり、深夜に帰宅してまた早朝に出かけていくだけの生活が続いていたのだけれど、さっき「はてなダイアリー」が終了する、と知ってあわてて今ブログを書いている。
ぼくは「はてなダイアリー」というサービスに対して思い入れはほとんどない。
自分で使ったことがないからだ。
けれども、「はてなダイアリー」を使い、それを1サービスではなく、コミュニティとして育て、村へと発展させてきた人々を心から尊敬する。
みなさんがいたから、ぼくは「はてなニュータウン」にやってくることができ、そこでみなさんと交流し、ウンコをぶつけあうお祭りに参加し、また現実世界で戦おうという元気をもらうことができた。
だから、まだ「はてなブログ」に移行していない、敬愛する先輩方に、これだけは伝えておきたい。
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2019年春「はてなダイアリー」終了のお知らせと「はてなブログ」への移行のお願い - はてなダイアリー日記
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ぜひ、今すぐ「はてなブログ」に移行いただき、これからもウンコを投げ合わせてください、よろしくお願い申し上げます。
・ぼくがはじめて、はてなダイアリー住民と触れ合ったエントリ
inujin.hatenablog.com
・「はてな村」と「はてなタウン」に関するシロクマ先生のエントリ
p-shirokuma.hatenadiary.com
・「はてなダイアリー」終了について
2019年春「はてなダイアリー」終了のお知らせと「はてなブログ」への移行のお願い - はてなダイアリー日記