10年の中で、ぼくが見つけたこと。

この10年で本当に色んなことが変わった。

 

特に風邪でも花粉症でもない人まで、誰も彼もがマスクなしには外出できなくなるなんて、もちろん思わなかったし、匿名の誰かがインターネットで叫んだことが政治を動かすようになるとも思っていなかった。

いや、それはちょっとウソで、本当はそういうことも色んな人たちが予想してはいたけれど、いざ現実として体験したあとではまったく違う感想が待っていた、という感じかもしれない。

頭の中で思い描くのと、実際に経験するのではずいぶん大きな差がある。

 

それはぼくの人生についても同じで、たとえば10年経ってもいまだに同じ会社で働いているけど、実際にそれを体験してみると、まあそんな簡単なもんじゃなかったな、と思う。

10年前は、苦労してたどりついたコピーライターの仕事からすっかり離れるようになるとは思わなかったし、それ以上の苦労や悩みが待っているなんて考えたこともないし、そういったことを受け入れて、できることをやっていくしかないぞと開き直って働き続けるなんて、まったくイメージしてなかった。

まあ、それでも他人からすればただ同じ会社で20年程度働き続けてきたサラリーマンがいるというだけの話なのだけれど。

 

反対に、この10年で変わらなかったこと。

それを見つけたいというのが、ぼくがブログを書き始めたときの目的だった。

ものすごい速さで変わり続ける世界と、それに適応するために必死に変わろうとし続ける自分。

その中で変わることのない自分を、ブログを書く過程の中で見つけたいと願っていた。

あれから10年経ってみて、じゃあ何か見つかったのかというと、答えは半分ノーで半分はイエスだ。

何か具体的にこれがそうだ、というものが見つかったかというとこれはノー。

職種は何度も変わったし、すごい資格や特技も手に入れられなかったし、誰にでも自慢できるようなすごい功績も得られなかったし、何かひとつのことを深く掘り下げていくことによる専門性もついに得ることができなかった。

それどころか年を取ることで、できることがどんどん減っていって、新しいことに挑戦する体力も時間もお金もなくなっていった。

今でもそういうことを考えるとあまりいい気持ちにはなれない。

 

それでもやっぱり、ぼくはこの10年間とにかくもがき続け、たくさんの失敗を重ねて、これはずっと変わらない、というものを見つけることができたように思う。

それはとてもシンプルなものだ。

ぼくはここにいる。

これがぼくだ。

ただそれだけのこと。

それに気づくのに10年かかった。

もっと早く気づくことができたら、もっと自由に生きることができたかもしれないし、もっと良い成果を得られたかもしれない。

だけど、とにかく見つけることができたのだから、それでいい。

 

それじゃこれからどうするのか。

それはそんなに難しいことではない。

どこにいこうが、何をしようが、世界がどう変わろうが、ぼくはぼくであり、人生は人生なのだ。

できることをやっていけばいい。

 

というようなことを「お題」があったので書いてみた。

 

はてなブログ10周年特別お題「10年で変わったこと・変わらなかったこと