振り返るは地味だが、役に立つ。

このところ、体調が悪かったこともあり、ずっと気持ちが休まらない感じが続いていたのだけど、『週刊はてなブログ』さんのこの記事を拝読して、なんだかほっとした気持ちになった。
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振り返ることができる幸せ
何についてほっとしたのかというと、「どんなに大変なことや辛いことでも、時間がそれなりに経って、振り返られるというのは幸せなことである」ということについてだ。

最近は、もうほんとに世界中で大変なことばかりが起こるし、その一つ一つに対して自分ができることがほとんどないし、その無力感が積み重なることで、なんだか勝手に疲れてしまっていた。
おまけに毎日がとにかく忙しすぎて、身の回りにいつも何かのトラブルが起きている。
朝起きると、やることがあまりに山積みなので、本当に今日という一日が無事に終わるのだろうか…といつも不安だったりする。
そんな状態なので、こうやって「2022年上半期には、はてなブログでこんなことがありましたね、こんな話題で盛り上がりましたね…」という記事に出会うと、なんというか、「まあとにかく色々あったけど、あの大変だった時期を、こんな風に振り返ることができるようになったんだなあ…」とじんわりしてしまう。
おまけに、それが新聞やニュースなどが扱うワールドワイドな、なんだかエライ人にしか関係のなさそうな遠い世界の話ではなく、われらがブログに関する話だから余計にほっとする。

そう、どれだけ世界に異変が起き、とんでもないできごとが続くことしても、ブログ書きはその中で自分が感じたことを書くしかないし、あるいはあえて全然違うところに目を向けて、そこで見つけたことを書く。
誰が読もうが、どんな風に読まれようが、書き続けることくらいしかできないのである。
だけど、忙しいと、なかなか書いたことを読み返すことがない。
まあ、その頃、他にどんなブログが書かれていたかを振り返ることも少ない。
だから、今回のように記事として取りまとめていただけるのは本当にありがたいなあ、と思った次第である。


むしろ振り返るために生きている
ところで、ぼくはもともと何かをコツコツ続けていくのがとても苦手なのだが、最近は、しかしやっぱり小さいことを途切れながらでもいいから細々と続けていくことは大事なのかもしれない、と感じることが増えた。
それは振り返るときの楽しみがあるからだ。
いや、場合によると、むしろ人生を振り返る楽しみを味わうためだけに生きていると言えるかもしれない。
もちろん、振り返るだけで暗い気持ちになるようなできごともあるのだけど、それも含めて、いやあほんとによく生きてきたよなあ…と思うだけで、自分を自分でほめたくなる。

別に、すごい功績なんかなくてもいいのだ。
たとえば、ぼくは昭和、平成、令和という3つの時代を生きてきた。
それだけでもすごいことである。
あるいは途切れ途切れではあるけど、10年ブログを書き続けてきた。
飽き性のぼくが、こんなに長く趣味が続いているのはとても珍しいことである。
あるいは同じ会社で20年以上も働き続けてきた。
これまでは、転職したことがないのがコンプレックスだったのだけど、今となっては逆によく続いているな!すごいな!と感じる。

そうやって、自分の人生を振り返って、思ったよりも面白い景色が見えたとき、ああ生きてきてよかったな、人生って悪くないよな、と思える気がする。
いや、そんな長期的なことじゃなくてもいい。
一か月とか一週間とか、それくらいの時間であっても、振り返ってみることで、色んな気づきがあるように思う。
ぼくはものすごく感情の振れ幅が大きいタイプなので、辛いことがあると「うわあああ人生終わったああああ」とすぐに思ってしまう。
だけど、それを一週間後に思い出すと、なんだずいぶんどうでもいいことで落ち込んでいたよなとか、あるいはもっと長い期間で見れば、もっと大変なこといっぱいあったよなと思えるようになる。
そうやって、自分の日々の抱えきれない感情を俯瞰で見たり、客観視できるのも、振り返ることのいいところだと思う。


細く長く生きるのも悪くないかもしれない
若い頃は、太く短く生きたい、と思っていた。
めいいっぱい努力をして、たくさん活躍して、やりたいことをやりつくして、衰える前に消えていく、そんな人生がいい、と思っていた。
だけど今は、まあそこそこがんばって、だけどうまくいかないことも色々あって、いい年こいて辛いとか痛いとかヒイヒイ言いながらも、時々自分が歩いてきた道のりを振り返って、自己満足の笑みを浮かべる、そういう人生も悪くないなと思う。
まあ、どっちがいいとか悪いとかじゃない。
人にはそれぞれの物語がある。
ぼくも、ぼく自身の物語をたっぷりと味わって、生きていきたい。

そんなことを折に触れて思い出せるようにするために、ぼくはブログを書き続けるのかもしれない。