時代は、変わったのだろうか。

今日はあまりいいことがなかったけど、子どもたちがずっと楽しみにしていた金曜ロードショーの『竜とそばかすの姫』を一緒に観たので、よかった。

そう言えば、ぼくの父は、ぼくが子どもの頃、色んな映画をレンタルしてきて、一緒に観ていた。
当時はインターネットで下馬評をチェックすることもできないので、父の勘だけが頼りである。
面白いものもあったし、ハズレもあった。
なんというか、そういう経験も含めて楽しかった。
果たして、自分はそんな体験を子どもたちにさせられているかな、と思ってしまう。

時代が違う、といえばそうかもしれない。
そんなに努力しなくても、そこそこやっていける、と信じられていた時代だった。
そして途中から、全然そんなことはない、ということがあらわになった時代でもあった。
だけど、それが今とそんなに大きく違うだろうか。
もちろん違うといえば、全然違う。
だけど、人から聞いた話とか、何かに書いている情報とかを一度忘れて、自分の肌感覚としてどうだろう。

あの頃も、別に楽しいことばかりではなかった。
退屈な時間もたくさんあったし、腹が立ってしかたないこともいっぱいあった。
特に中学生の頃は荒れていて、ドロドロとした自分の感情をぶつける場所がなくて、爆弾を抱えてうろうろしているような感じだった。
それが良いとか悪いとか、そういうことではない。
時代が違っていても、人が大人になっていくプロセスはそんなに簡単なものじゃなく、世の中にあふれているなんちゃらメソッドとか、なんたら教育とか、そんな小手先の情報なんて役に立たないような気がする。
一人の人間として、子ども一人一人に、全力で組み合って、一緒に育っていくしかないような気がする。
それが唯一の正解なんてまったく思わない。
それが、ぼくにとってのイメージだというだけだ。

どうせぼくはアホなのだ。
無理に難しいことを考えてみたって、結局その本質的なことは理解できやしない。
それよりも、手を動かして、失敗して、ほんのちょっとずつ進んでいくほうが向いているのだ。
色々とやってみるしかない。

いつも、進む道は目の前にある。
立ち止まって、眉間にしわを寄せていても何もはじまらない。
ぼくは、ぼくの道を行けばよい。

それが長いこと生きてきて知った、ほんのわずかなことの一つなのだろう。