煮詰まった中年男性は、何をすればいいのか。

fujiponさん(id:fujipon)が「煮詰まった中年男性」の気分転換の方法を「緩募」されている。

fujipon.hatenablog.com

なので、ぼくも自分の経験をいくつか挙げてみようと思う。

掃除

これは大変おすすめである。
特に、雑巾で床をふくのがいい。
テレワークの時など、5分ほどのすきま時間ができたら、その瞬間にちょっとだけ気になるところをふく。
ちゃんと四つんばいになって、床の状況を見ながらふくと、なかなかの全身運動になるし、5分くらいやっているとちょっと汗も出てくる。
また、掃除をすることに集中できるので、他のことを考えなくてよい。
はじめは、ちょっと仕事のアイデアでも考えながらやるか…という感じではじめるのだが、やっていると汚れているところが気になってきて、これまでのことがすっかり頭から離れていく。
そして何より、きれいになると自分が気持ちいいし、家族も気持ちいい。
ついでに、お金もかからない。

ポイントは、完璧にやろうとしないこと。
ちょっとの空き時間で、限られた部分をちょっとだけやる。
続きはまた次のお楽しみとしておいておけばいい。
あとは、できるだけ体の色んなところを使う。
手だけじゃなく、低い体勢になって腰を伸ばしたり、首を曲げたり、ついでにストレッチ代わりに足を開きながらやってみたりして、気持ちのいい運動として楽しむ。
そんな感じで、自分なりに色々と工夫して、より気持ちのいい時間にしようとすること自体が楽しい。
「煮詰まった中年男性」には、ぜひともおすすめしたい。

おしゃべりする

これはぼくにとってはいつも有効な打ち手の一つである。
ぼくは元来、とてもおしゃべり好きなのだが、仕事が忙しくなってきたり、何か悩み事にとらわれていたりすると、気持ちが内側に向いてしまって、誰かと会うのが面倒になってくる。
人としゃべらないと、自分の考えで頭がいっぱいになってしまうので、すぐに思考の酸欠状態になる。
もちろん本を読んだり、映画を観たり、自分以外の考えも吸収することも大事なのだが、それ以上に、酸素が少なくなった古い思考を外に吐き出して、みずみずしい空気を取り込むことが必要なことが多い。
そんなわけで、ぼくは煮詰まってくると、誰かに声をかけて、おしゃべりをさせてもらう。

煮詰まっているときのおしゃべりの始め方は、実はとても簡単である。
「実は、ちょっと煮詰まってまして…」
と切り出すだけである。
すると相手が、一体何が煮詰まっているのか、なぜそうなったのか、色々と聞いてくれるので、その時は遠慮なく、こっちの話を聞いてもらう。
で、ある程度吐き出して、気持ちが楽になってきたら、今度は相手の番。
そっちはどうですか、と聞く。
するとたいてい、いやあ実はねえ、と話をしてくれるので、それをありがたく聞く。
で、お互いにスッキリしたら、お礼を言い合っておしまい。

まあ実際は、ああもうちょっと話を聞いてほしいなあ、という時もあるし、つい自分ばかりが話してしまう場合もある。
だけど、できるだけ話すのと聞くのは入れ替える。
野球の試合みたいに、表と裏の両方をやるのが大事な気がする。

違う仕事をする

ぼくは転職をしたことはないが、職種を何度か変えている。
それは不本意な場合もあるけど、自分から変わろうと準備をして、積極的に変えていっている部分も大きい。
これまでで一番こわかったのは、コピーライターをやめて、別の職種に変ったときで、それは本当に大変だった。
それでもまあ、ぼくが飽きずに働き続けられているのは、そうやって新しいことに取り組み続けているからかもしれない。

あとは、時々WEBメディアに寄稿させてもらっているのも、とてもいい気分転換になる。
編集者さんやライターさんから、ブロガーの「いぬじん」として扱われるのは、普段とは全然違う人間になったような、とても楽しい経験だ。
自分自身の違う一面に気づくこともできるし、いやあ、それでもやっぱりここは変わらんなあ、という部分を確認することもできる。

他にも、長く生きていると、別に特殊なことじゃなくても、色んな仕事をする機会がある。
PTAなんかもそうだ。
別に委員や部会の仕事じゃなくても、朝の立ち番をするだけで、かなり気分転換になる。
はじめは、朝早くから面倒だなあ…と思っているのだけど、子どもたちに、おはよう、と声をかけているうちにだんだん気持ちがよくなってきて、いい一日のスタートを切れたな、と思えることが多い。

最近は長らくやっていないけど、オフ会を開いてみる、というのもいいかもしれない。
ぼくは元々、何かの主催者になったり幹事をしたりするのが苦手で、お呼ばれはしたいけど、自分でやるのはちょっとなあ、という感じだった。
だけど、いつまで経っても誰も何の会にも呼んでくれないし、じっとしていても何も起こらない。
そこで思いきって、自分でオフ会を主催してみることにしたら、とっても楽しかった。
そうか、楽しいことが何も起こらないなら、自分で起こせばよかったんだ、と気づくことができた。

と、ここまで書いていて思ったけど、ぼくの場合はやっぱりそこなのかもしれない。
おもしろきこともなき世をおもしろく、じゃないが、とにかくじっとしていても、何も面白いことは発生しないのである。
ぼくは昔からそうなのだ。
よく、何もしゃべらないのにやたらモテる人っているでしょ。
若い頃はああいう人に憧れていた。
だけど、ぼくはそういう資質は全くないのである。
だから、自分から楽しいことを作りにいくしかないのである。
まあ、ずいぶん生産性の悪い人生である。
ぼくだって、じっとしているだけで色んな人にもてはやされて、何もしなくても面白いことが向こうから次々とやってくる人生がよかった。
だけど、ぼくはそういう星の下には生まれていないのである。
その代わり、別の星がぼくを見守ってくれているのである。

というわけで、fujiponさんの参考になりましたでしょうか。
というか、書いてみたら、ぼく自身の参考になりました。

では、また。