旅を、したい。

一つの国の暴走を止めるためには、世界政府のようなものが必要なのだろうか、と思ったりする。

もちろん、そういうものができたとしても、自国がその中で優位な立場を取ろうとする争いは終わらないだろう。
また、そこでもし地球全体の独裁者のようなものが出現したら一体どうなるのだろうとも思うけれど。
だけど今のようにまったく意思疎通ができない状態に陥るよりもマシじゃないかと思ったりする。

今の民主主義のやり方がベストとは思わないが、戦争の代わりに選挙で争わせる、というのはまだだいぶマシな気がする。
日本でも、選挙の様子を見ていると、これは兵器を使わない戦争なんだなあと思う。
だけど、ビラをまいても誰もケガはしないし、街宣車は建物を破壊したりはしない。
それで済むならずっとマシではないか、とも思う。

旅に出ると感じるのは、どこでもみんな同じなんだなあということだ。
ズルをする人もいるし、誰かが困っていても知らないフリをする人もいるし、とても親切な人もいる。
普段は温和な人でも何かの拍子にすごく怒るし、いつもは他人に厳しい人に優しい一面があったりする。
すっかりテレワークに慣れて、別に外出なんかしなくて大丈夫だ、と思っていたけど、今は旅をしたい気持ちが強まっている。
いや、ひょっとしたらそれすらパソコンの画面で解決することもあるかもしれない。
特に旅という形にこだわっているわけでもない。
とにかく、もっと多くの、自分とは違う人たちと会って、話をしてみたい。

話せばわかる、なんて思わない。
だけど、もっと色んな、自分と違う人と知り合いたいと感じる。
知っている人が増えれば、色々と考えなくちゃいけないことが増えるだろう。
気を使わないといけないことが増え、自由に、思いのままにできることが減るかもしれない。
だけどそれが狭い場所に一緒に暮らしている人たちに対して接するべき態度だし、そうやってお互いに譲り合いながら暮らしていくしかない。
面倒だし、イライラするし、息が詰まることもある。
それでも、ずっとマシではないか、とも思う。