人がプライドを持って働いているのを見るのが好きだ。
その人なりに色んな事情があって、さまざまな悩みを抱えていて、だけど今この場面では目の前のことに真剣に打ち込んでいる、その姿にドキっとする。
逆に仕事に集中できていない人や、どこか上の空の人と出会うと、この人はなぜいまの仕事に向き合えないのだろう、と気になる。
他にもっとやりたい仕事があって今の状況に強い不満があるのかなとか、何かプライベートで深い悩みがあるのかなとか、勝手に想像してしまう。
ぼく自身にもそういう経験があるし、今でもそんな気分になることはあるからだ。
きっと、多くの人が決して現状に満足しているわけではない。
だけど「どうせやるんだから」真剣にやろう、プロとしてプライドを持って働こう、そんな風にスイッチを入れられるかどうか。
その背景には何があるのだろうかと、最近はよく考える。
ひとつは「やっつけ仕事」という甘い罠だ。
適当に手を抜いてもそれなりに形になり、お金にもなる。
これを体験してしまうと心が徐々に腐っていく。
「やっつけ仕事」というのは誰をも幸せにしない。
本人はもちろんのこと、周りのやる気も低下させるし、仕事自体の質も当然下がる。
それが蔓延すれば、その業界自体の存在感も低下する。
「やっつけ仕事」を自分がしないことも大切だが、相手に「やっつけ仕事」を「させない」ことはもっと大事だと思う。
この仕事は、頼む相手が取り組みがいを感じるものか?
支払うお金は、無理をさせていない金額か?
そして自分自身が、その人に頼むことに喜びを感じているか?
難しいことだけど、できるだけやっていきたい。
ぼく自身が「やっつけ仕事」の呪いから解き放たれるために。