僕はこれまで、人生の時間のほとんどを、自分自身のためだけに使ってきたつもりだった。
もちろん勉強にしても、仕事にしても、楽しくないこともたくさんやってきたけど、そこでの時間は将来の自分のやりたいことにつながると信じていたので、大きくみれば、自分自身のために費やしている時間だと思っていた。
それがいつのまにか、会社のために、得意先のために、そして家族のためにと、自分のために使う時間が減ってゆき、残っているのは睡眠とブログのための時間くらいだ。
だからこそ。
池田仮名さんと雪に閉ざされた街でお酒を飲んで、楽しい話をたくさんして、まだまだ話し足りなくて、それで思った。
人生における貴重な時間を誰かが僕のために使ってくれること自体が、この世界における最高のご褒美なのだ。
ブログなんてその究極で、誰かが僕のエントリを読んでくれる時間はほんのわずかだとしても、その人にとってのとても大切な時間だし、しんしんと少しずつ降り積もっていけば総和はどんどん大きくなる。
その貴重な時間を共有したいがために僕はブログを書くし、仕事をするし、生活をする。
お金のためだとか、キャリアデザインのためだとかというのは便宜上の話であって、僕の人生の報酬というものは、自分の楽しい時間を誰かと共にした瞬間に、すぐに与えられている。
ただ、それだけのために生きている。
もちろん、そんなことを堂々と申し上げてしまうと、では俺様の貴重な時間をお前のために割いてやるのだからしっかり働けと、そういうことを堂々と返してくる無粋な方がたまにいらっしゃる。
しかし、そういう方にこそ、ある言葉をおすすめしたい。
それは、よかったら僕と友達になってください、という、あの独特の苦さと清涼感を持ち合わせた紋切り型のセリフなのである。