年をまたいでしまったが
プレゼンのコツ、最終回である。
これまでの2回のエントリで、
僕は書いたのは
・「相手は、どんな内容なら耳を貸すのか」を考える
・「すでに相手が持っている答え」を引き出す
というシンプルな話。
しかし、この2点を意識しすぎると
相手が何を考えているのかとか
どんなことなら反応しそうかとか
そういうことばかりを考えてしまって
提案の質が悪くなったり
そんな自分の狙いを見透かされてしまって
評判自体も落としたりと、逆効果もある。
ではどうすればいいのか?
答えはとっても簡単。
これが最後のコツである。
すなわち
「プレゼンというもの」をしないようにする
ということだ。
★
何を言ってるんだと怒られるかもしれないが
これが、僕が今のところ最良だと思っている方法だ。
プレゼンテーションというのは「勝負の場」だ。
競合プレゼンであれ、自主的な提案であれ、
自分や仲間たちの命運が賭けられてしまっている。
そこで勝とうが負けようが、
非常に危険な場面であるのには間違いない。
そういう状況というのは
なるべく避けるべきだと僕は思う。
これまで数々のプレゼンテーションをしてきたが
本当につまらない理由で、勝ち負けは決まる。
担当者の虫の居所、企画書のデザインの好き嫌い、
「出来レース」なんかしょっちゅうだし、
もともとどの提案も採用する気がない、ということもよくある。
こういう状況に、
大切な人々を巻き込むのはやめたほうがいいし、
自分の貴重な時間を費やすことも
すごくもったいないことだと思う。
★
もうちょっと言えば、
わざわざプレゼンテーションという機会を作らなければ
相手に対して自分の考えを伝えることができないという
状況になっている時点で、僕らはもう負けている。
ではどうすればいいのか?
簡単だ。
そうなる前に「小さなプレゼン」を繰り返していけばいい。
相手がどうやったら自分の話に耳を貸すのかを考え、
そして、相手の中に潜んでいる答えを、一緒になって探す。
これは、毎日のコミュニケーションそのものだ。
そこで小さく勝ったり負けたりしていても
大きな被害はないだろう。
日々のコミュニケーションを
ベータ版のプレゼンテーションと思って
生活していくことで、「勝ち負け」という概念自体をなくす。
これこそが「無敵のプレゼン」のコツだ。
勝つことも負けることもなければ
敵などいなくなるからである。