白と黒のストライプ、あるいは白と青、あるいはグレーと黒。
ストライプのシャツを着た女性は、ストライプというよりもむしろボーダーライン上の存在だ。
ストライプのシャツは、フォーマルとカジュアルの境界線上にあって、仕事なのか遊びなのか、微妙なところにある。
それにどちらかというと男性的な柄なんだけれど、まったく女性的ではないわけでもない。
縦のラインが整然と並んでいる感じは、硬くて冷たい鉄格子。
しかしそれがかえって女性的なやわらかい丸みを拡張する要素にもなる。
男は丸いものを、女は四角いものをセクシーだと感じるというけれど、ストライプのシャツには両方の要素が含まれている。
ストライプのシャツの女性は、解放する。
上下に走る線は、ゆるぎない序列を表す。
ゆるいフラット感を生み出すボーダーシャツや、多様性を内包するチェックのシャツと違い、厳然たるヒエラルキーを象徴している。
しかしこれを生き生きと活動している女性がまとえば、それは反対に、自由の旗印となる。
古めかしいピラミッドに組み敷かれている魂たちを、解き放つ女神となる。
ストライプのシャツの女性は、都会を駆けまわる野獣。
ストライプのシャツの、あの毅然とした垂直なラインは、密林のトラにとってはカモフラージュになって都合が良いが、どんより暗いネズミ色の街では、かえって目立つ。
2色のラインが織りなす鮮やかなコントラストは、人々の目を引きつけて離さない。
誰もがその野生の虜になって、頭の固い連中のつまらない常識を食い散らかしていくその美しい姿を、ただ見守ることしかできない。
もしあなたが今日、ストライプのシャツを着た女性を街で見かけることができたなら、祈るといい。
己の存在の野暮ったさと、その野暮ったい思い込みと、野暮ったい自己憐憫が、一気にタテに引き裂かれて、バラバラになった肉片から新しい自分が生まれ変わるよう、祈るといい。
じゅうぶん祈り終わったならば、その祈りが通じるように、もう一度祈るといい。
ストライプのシャツの女性は、だいたいかわいく見える。
白とピンクのストライプは、微妙。