サードブロガーに、なりませんか。






アルファブロガーなるものを目指しながらも、難しいと感じている人に、僕は1つ提案したいことがある。


ここらで、アルファブロガーではなく、「第三のブロガー」になってみるのはどうだろう。



id:yarukimedesuさんのエントリ

さらば、「はてな」よ。 - 団劇スデメキルヤ伝外超

を読んだ。

id:otsuneさんが車で事故に遭われたことをブログに書いたら、id:paradisecircus69さんやid:p_shirokumaさんがそれについての感想をブログに書かれた。

そのやりとりがはてなブックマークで関心を集めていたことについての、感想だ。

記事の内容は、台風の時に事故った人がなんやかんやだけど、ここまでIDが強烈なインパクトを与えることはないだろう。yarukimedesuというアカウントもホウボウで使っているけど、きっと、この先に、彼らよりも強烈なインパクトを与えることはないだろう。

ブログ記事を沢山書いて、アルファーブロガーになりたいな、なんて思ったこともあったけど。今でも思うけど、こらあかんわ。人生はあきらめが肝心だ。


氏は、はてなを中心にインターネットの世界でよく知られた人々がブログを書くと、そうではない人の場合とは全く違う大きな影響があると感じるようだ。


このあたりの無力感は、インターネットの世界ではないけれど、僕も何度か経験してきたつもりだ。

職場では、権力の強い人や人気のある人の主張が通りやすい。

有名なクリエイターは、つまらない企画を提案しても、なぜか得意先にありがたがられる。

旧来のメディアにおいての話は、説明不要だろう。


インターネットの世界でも、同じように「誰がそれを言うのか」が重視されるようになって久しいのだろう。


しかし、絶望する必要はないと思う。

アルファブロガー」なるものは、そうではない全てのベータブロガーたちがいるからこそ成立する概念だ。

もっといえば、アルファブロガーは、アルファブロガーに憧れる人々によって作り出されていく。

アルファブロガーに憧れるということは、自らが彼らの原料として消費されていくということなのだ。

だから突然、なんかバカバカしいなと気づき、「さらば」と思うことだって、アリなんだと思う。


その代わりに、ためしに第三のブロガー、サードブロガーになってみるのはどうだろう。



サードブロガーとは何者か。


サードブロガーとは、遅れてきた人

日本のインターネット黎明期にはもちろんのこと、WEB2.0とかCGMとか言われた頃の盛り上がりにもあまり関与せず(あるいは途中で離脱して)、その後SNSが発展して誰でも気軽に自分の伝えたいことを発信できる時代になったのにも関わらず、いまさらブログを書こうとしている人である。

第一の波にも、第二の波にも乗らずに、なぜか今頃現れた、第三の人間である。

それではこの人は、普及曲線における「後ろの方の人たち」なのかというと、決してそうでもない。

サードブロガーには「あの頃」にではなく、「今」ブログを書きたい理由があるのだ。

サードブロガーは今を生きている。

過去から脈々と続く文脈だったり、それにまとわりつくしがらみとは無縁の存在である。



サードブロガーとは、勝たない人

だいたいの社会や組織は、ある共通の価値なり評価基準を持っていて、場合によると、まるでそれが全てだと思ってしまうこともある。

人間というのは、それをなぜかインターネットの中にもコピーしたくなるようで、ブログでもアクセス数や購読者、そして「他人への影響力」といったイメージしやすい指標によって、お互いを識別しがちだ。

しかし、三番目のブロガーというのは、もう一番の席も、二番の席も、とっくに埋まっているところにやってきて、ずっと立ちっぱなしでいる人だ。

だから、これまでの価値観にとらわれることなく、自由に動き回ることができる。

サードブロガーは「既存のルールに則った戦い」ではなく、自分のルールを大事にしている。

サードブロガーは、戦わないし、だから勝つこともない。

もちろん、負けることもないので、ずっと無敗の存在である。



サードブロガーとは、期待している人

id:shiraber氏に教えてもらったことだけど、もともと僕らには、生活や家庭などの第一の居場所や、仕事や学校などの第二の居場所がある。

もし、僕らがこれらのスペースだけで十分に幸福を感じられたり、満足を得られているなら、ブログを書くことはないんじゃないだろうか。

ブログを書く人には、それぞれに書く理由があるけれど、いずれにしたって今の人生で満たされない何かを、エントリを更新することによって補おうとしている。

もちろん、ブログによって、他では満たされない承認欲求を得たり、自尊心を回復するのも、すごく大切な行為だ。

しかし、第三のブロガーは、もっと貪欲である。

できることならば、ブログを通して得た知恵や経験を、第一、第二の場所にも生かしたいと思っている。

もちろん、第三の場所であるブログについても、他では味わえない面白さを感じたいと願っている。

サードブロガーは、ブログに対して期待している。

サードブロガーは、新しい何かを生みだそうとワクワクしている。

好奇心によって現状の秩序を乱し、ゆらぎをもたらす存在である。



もちろん、そういう僕自身は、サードブロガーである。

どういう風になりたいのかは、以前「オバチャン」というテーマで書いた。

僕は、オバチャンになりたい。 - 犬だって言いたいことがあるのだ。

また、

感想をブログで書いてもらえると喜ぶグループ

でのお節介も、何か面白いことが起こればいいな、というオバチャン的行動である。


とかくこの世の中は、周りの空気を読んだり、一元的な評価に縛られたり、発言に一貫性を求められたりと、まあ窮屈なことばかりだ。

せめて、このブログの世界だけでも、自分の意志で自由に飛び回り、いつもワクワクと好奇心で満たされていたいじゃないか。


さあ、もうアンタも、アルファブロガーなんちゅうもんはさっさと忘れてもうて、サードブロガーになったらどうや、ほれ、そこのアンタやでえ。