さて、
感想をブログで書いてもらえると喜ぶグループ - はてなブログ グループ
では、次々と興味深い事件が発生している。
まずはこのid:bulldraさんのエントリ。
郵便的コミュニケーションとネットバトル〜『感想をブログで書いてもらえると喜ぶグループ』に参加した - 情報学の情緒的な私試論β
感想をブログでもらう、ということについての考察だ。
非常に明るくて、思いやりにあふれているエントリである。
僕には、結論を急いでしまう悪い癖がある。
「ブログの感想をブログで書く」グループを設定してみようと思った時、
実際は、その前後にモヤっと考えていることがいくつもあった。
ただ、できるだけ多くの人にわかりやすく意図を伝えたいな、と思ったので
「感想をブログでください」というアホっぽい言葉を選んだ。
そうやって乱暴にすくいあげた結果、
色んな大切なものをバシャバシャとこぼしてしまっている。
id:bulldraさんは、その大事な部分を深い見識と経験でもって、
ちゃんと言語化しているのである。
どんなに正確に読み取ろうとしても、やはり誤配は起こってしまうのです。結局のところで「できる限り』という態度の問題であって、態度は結果を保証するものではありません。かなり客観的に正しい事であっても、論破されてむかついたから、むしろ絶対にそうしないって事も起こりえます。
(中略)
だから理解を放棄しようって話でもないのですが、所詮は誤配を織り込んでいかねばならぬのだから緩くしたいにゃんって思います。ただ、そう想う人も居るっていう事実だけを色々な人のブログから感じたいのです。自分がそこに感情移入できるかなんてのは、あまり重要ではありません。
このあたりなんかは、もうおっしゃるとおりです、としか言いようがない。
他のコミュニケーションがそうであるように、
どれだけ一生懸命に相手のことを考えてブログの感想を書いても、
間違った読み込み方をしたり、突如として激怒されたりするリスクは常にある。
あるいは、ハナから相手を怒らせようと思って書くことだってあるだろう。
そして、あらゆるコミュニケーションと同じように、
ブログにおいても、相手のことを完全に理解なんてできない、
という前提があるのとないのでは、大違いである。
むしろ、世の中のほとんどの不幸は、そこにあると言ってもいいと思う。
★
氏が書いているように、「ブログとブログのやりとり」の代表は、
みなさまご存知、ネットバトルである。
人間にはそれぞれに性格とか状況とか事情とかがあって、
僕だってお互いを傷つけあうだけのバトルなんかしたくない。
痛いの嫌いだもん。
(別にバトルを否定しているわけではないにゃ。
正々堂々の「試合」なら喜んでお受けする。)
しかし、そういうコンフリクトも、コミュニケーションの典型的なカタチなのである。
では、どうすればいいのか?
そこで、id:bulldraさんは言うのである。
色々と書きましたが、とにかく感想をブログで書いてもらえると喜びます。大事なことなので四回言いました。ここで言う「感想」は、私のエントリについて詳細に意図を探ろうとか、誤字や矛盾を指摘するってものでもよいし、もっと適当に連想した事を書くのでも良いと思います。
そもそも「感想」とは「感じて想う」ことですから、そこの自由があります*2。思想統制とか無理ゲーです。それが本来の意図とは正反対に受信して、返答されたものであっても、それをまた正反対に受信したりして郵便的なコミュニケーションは続いていくのでしょう。このエントリも勝手に感じて想った事を綴っただけです。
だから「君は誤読している」なんていう気もないので、感じて想った事をブログで書いてもらえると喜びます。
ここには、ブログに対するid:bulldraさんの愛すら感じる。
そうだ、「感じて想う」から感想なのだ。
あなたのブログに対する私の意見を書きました、ではない。
そんな抜き身の刀で切りつけ合うようなやりとりではなく、
他人のエントリに触発されて、自分の中で何か新しい発見が起こる、
そういう経験をしたいのだ。
「感想をブログでもらえると喜ぶグループ」って、なんかバカっぽいかなあ、
もっと賢そうな名前にしておけばよかったかなあ、とか思っていたけど、
もう迷わないことにした。
★
実は、id:bulldraさん、このグループのきっかけになった方なのである。
こういう流れである。
id:bulldraさんが「自分のブログはコメント欄をあえて閉じてます」というエントリを書いた
→それにid:zuiji_zuishoさんが反応して「俺もコメント欄でプチ炎上したから閉じたぜ」というエントリを書いた
→それを僕が読んで「ブログの感想はブログで書いてほしいかも」ってブコメ書いた
→ちょうどその時にid:kamuridoさんが「自分のブログの感想を読んでみたい」という勇気あるエントリを書いた
→おう、これは何かの縁だな、よし、はてなブロググループやってみよう
(以前からそういうことをやってみたらどうだとid:shiraber氏からはそそのかされていた)
これ以上追跡するつもりはないけど、
id:bulldra氏の言う「郵便物的」なきっかけが新しいきっかけを呼んで、
何かが起こっている感じが、実にインターネットらしくて興味深い。
ところで、
感想をブログで書いてもらえると喜ぶグループ - はてなブログ グループ
では、他にも面白い出来事が色々と起きていて、
ぺんぎん氏とマレーグマ氏の、あまりにもハートフルなエピソードも
書きたくてたまらないのだが、次回に大切にとっておこうと思う