はてなブログの更新が
しばらく止まっていたのは
韓国に撮影に行っていたからなのだが
その詳細をここに書いても
仕方ないかなあと思っていた。
そもそも、かなり不本意な経緯で
韓国に行くことになったものだから
書いているうちに愚痴っぽくなっても
いやだなあと思っていた。
でも、いくつか気づいたことがあって
それは、そういう不本意な状況の中で
仕事していたからこその発見かもしれないので
ちょこっとだけ書いておきたい。
★
治安は全然悪くない。
i-phoneをカフェに置き忘れても
誰かがすぐに気づいて
走って届けに来てくれた。
旅行者が気をつけないといけないのは
詐欺やひったくりよりも、車による交通事故だ。
ものすごいスピードで突っ込んでくる。
でも運転はうまい。
運動神経、いいんだと思う。
★
つまんない冗談でも、すぐに笑ってくれる。
それは僕らがお客さんだから、ということが
多分にあると思うけれども
それを差っ引いても
面白い話や、冗談が好きな人が多い気がする。
あと、おばちゃんたちは、
関西のおばちゃんたちとすごく似てる。
人の話を全然聞かずに、ぐいぐい来る感じ。
邪魔な人はどんどん手で押しのけて進む。
ヒョウ柄の服が多いところも似てる。
みんな短髪でパーマ。
あと、やたらとショッキングピンクのジャージが好き。
★
みんな、すごく気が短い。
すぐに怒る。
でかい声で、よくギャアギャア言い合いをしている。
で、次の瞬間、普通に戻ってるけど
こっちは立ち直れないでいるので
ちょっと調子が狂う。
その一方で、すごく物静かで穏やかな人もいる。
で、すぐ怒ったり、いつもイライラしている人たちの
ストレスを、静かに無効化していく。
たぶん、そういう人たちがいないと
やっていけない構造に
なっているような気もする。
★
まあ、細かい違いは色々あるんだけど
おおむね、日本で、特に大阪で
生活している人間にとっては
そんなに違和感はなかった。
仕事のやり方とかもほとんど同じで
気の配り方とかもそっくり。
ミスの仕方とかも、そっくり。
これほどまで、 僕たちと
似たような人々が住んでいる国は
他にないようにも思った。
広い世界の中で
一番理解し合いやすい人々がいる国。
もっと仲良くしたらいいのにな、と
素直に思った。
★
ソウルで生きるのはとっても大変だそうだ。
受験戦争を勝ち抜いて、良い大学を卒業しても
安定した仕事を得るのはすごく難しい。
だからソウルの若者はアメリカや日本に渡って
MBAやら語学やらを習得するために努力する。
もちろん、みんながみんなじゃないけど
学生の頃から自分の人生のビジョンがあって
こんな風に生きたいと、ちゃんと設計する。
それは、志が高いから、とかじゃなくて
そうじゃないと、生きていけないから、らしい。
おまけに、受験勉強をするためには
すごくお金がかかるので、富裕層以外は
母親がパートやアルバイトで
子供の学費を捻出するのは当たり前らしい。
★
撮影の準備をしていた頃は
もう、イヤでイヤで仕方なかった韓国の仕事。
無事に撮影を終えて
別れの挨拶もそこそこに
飛行機に乗り込んで
窓からソウルの夜景を見たら
急にさみしくなった。
旧友の家に遊びに行った
帰り道とちょっと似ていると思った。