今日はちょっと間口の狭い話。
いわゆるマス広告の効果が弱まっているとか
これからはコミュニケーション全体を
設計できなきゃいけないとか
生活者の参加が必要だとか聞くけれど
そんな当たり前の話は、おそらく
20年以上前からずっと言われている。
その頃は、広告代理店は
メディアマージンという
ニンジンをぶらさげられて各社必死に
提案につぐ提案にあけくれていた。
全社一丸となって
マス広告のマージンを得るために
クライアントの意向を汲むのに必死になって
営業的な立ち回りをしないといけない
先輩クリエイターのふるまいを
僕はけっこうバカにしていた。
そのうち、名声と余裕のあるクリエイターは
クリエイティブエージェンシーとして出ていった。
その中には成功した人も失敗した人もいて
その様子をうかがっていた僕たちが出した結論は
ほんの一握りの人しか、そういうポジションで
仕事をすることはできない、というものだった。
そんな妙なあきらめと、ほんのわずかの希望を
胸に抱きながら、毎日の仕事をただひたすら
こなしているのが僕の現状だ。
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だが、これからは、僕はこんな感じで
仕事をしていきたいと思っている。
①まず、扱うテーマや企業、商品は
自分が本当に好きかどうかで選びたい。
それが初めはお金にならなくてもいい。
自分が良いと思ったものや感動したものを
共感できる人々に伝えてゆき
ちゃんと広まれば、その時には
報酬をもらえればいい。
②また、広告をするにあたっては
その商品の良いところも悪いところも
どちらもちゃんと伝える。
自分の感覚だけでなく、
色んな人の辛口な意見も共有していく。
それに耐えられない題材は
きっと、そこまでのものなのだ。
③そして、はじめのうちは
「誰にでもわかるように伝える」
ことはあきらめようと思う。
ちょっと変わったものや
理解に時間がかかるものというのは
そんなに多くの人から
すぐに受け入れられるとは思えない。
その新しさを受け入れられる土壌を作るには
まずは、わかってくれる人にだけ届けばいい。
こういうことを実行すると
きっと儲からないので
色々と怒られるのだろうけれど
出世をあきらめている僕にとっては
たいしたことではない。
それよりも、挑戦しなかったことに対する
後悔のほうが、ずっとダメージが大きいと思うのだ。
人はいつ死ぬのかわからないのだから
できることをやっておきたいと、本当に思う。