僕はいわゆる「ハウツー本」が苦手である。
20代の頃は「素晴らしいアイデアのコツ」的な
ハウツー系の本やエントリを中心に
さんざん読んでは実践を続けてきた。
どれも、とっても読みやすくて、わかりやすいので
なんだかすごくさわやか、後味もすっきりするのだが
結局、どれもほとんど役に立たない。
★
何度も裏切られたせいで、僕の中には
やっぱり大切なことは、簡単には学べないんだな
というあきらめのようなものがある。
だから、ハウツー系コンテンツに興味を引かれると
「危ない、危ない、ラクしようとしちゃいけない」
という恐怖心が働いて、すぐに離脱するようにしているのである。
そして、僕はひとつの結論を出した。
アイデアに近道は、なし。
「自分が発想しやすいやり方」を自分なりに開発し
進化させ続けることが、結局、大切なのだ。
★
でも、僕には1つだけ、良いアイデアを出すための秘訣がある。
僕の師匠をはじめ、凄腕の先輩クリエイターたちも
数名は賛同してくれているので、それなりに可能性があると思う。
それは、機嫌を良くすること、である。
ニコニコ、ウキウキしていると、普段は考えないような
馬鹿げたところまで思考が進んでいく。
すると、意外と面白い収穫があったりするのだ。
★
僕らはじゅうぶんに大人なので
1つの出来事にたいしてリスクを計算したり
論理的整合性を確保したりすることは
後でだってできる。
だけど、ずっと眉間にシワを寄せていても
「未知のゾーン」に踏み込むことはできない。
上機嫌になってはじめて、思考には羽が生え
ウキウキとしながら、常識という海の
はるか上空を、気持ちよく飛んでいくことができる。
そんなわけで、僕は最近なるべく
ヘラヘラ、チャラチャラしながら仕事をしている。
別にそれで出世できなくても、いいや。